2/18 京大生のための就活準備セミナーに参加した皆さん、たくさんの質問ありがとう!
セミナー中は時間が無く回答できなかったので、こちらでお答えします!
それにしても京大はさすがにすごいな。あんな短時間なのに、これだけレスくれるとは。
こりゃ他大学じゃあ、ちょっと太刀打ちできないかも。行動力/実践力のある京大生は無敵です。
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回答の最後にある参照ページは詳しく説明するためのものです。教科書「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」参照ページ(p.〇〇)付近を読んでいただいて、理解を深めて下さい。
アマゾン欠品気味です。電子書籍はこちら↓にあります。
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または出版社;
ジュンク堂・丸善https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b294782.html
に聞く手もあります。さらにメルカリには新品の出品があるそうです。
ではいってみよう!
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Q:トピックセンテンスは、質問についての自分の答えということでよろしいでしょうか
A:ESの設問、面接の質問へのストレートな回答がトピックセンテンスとなります。ガクチカなど個人的なことは当然自分しか答えられません。また研究内容説明など、複雑なものの場合は、できるだけ全体像のような概略となるでしょう。
細かい条件付けが必要であれば、結論であるトピックセンテンスの後に書きます。
学会など研究の世界では、いきなり結論に入らず、概況や全体傾向、背景などから徐々に本筋に迫る説明も多いと思います。しかしビジネスの世界では常に「結論から」「結論ファースト」が揺るぎない共通認識です。
会社に入れば必ずこのビジネスプロトコールで仕事をすることになるので、今の内から慣れておきましょう。
ES/面接はテストではないので、確証がなければ発言できないというような後ろ向きな姿勢は大きく評価が下がると理解しましょう。自分の答に自信がなくとも、「少なくとも◯◯だと思う」というような自分のコメントが欠かせません。
(本書参照ページ:p.5 戦略思考)
(戦略思考で鍛える「コミュ力(りょく)」(祥伝社新書)参照ページ p.134 話がわかりにくい人のためのロジカルな伝え方)
Q:形容詞での表現をしてしまっていました。非常に参考になりました。ありがとうございました!
A:問題点に気付いてくれましたね。形容詞での表現はビジネスにおいてほぼ意味はありません。まして京大生であれば、客観的な数字や変化率、ファクトベースでの説明ができてこそ。
逆に「お客様からの感謝や、サークル部員からのサポート」などは、数値化できない、つまり「個人の感想」でありビジネスとしてのネタになっていないということです。
「手柄自慢」「良いことを書く」「会社を褒める」は全く就活対策になっていないということをご理解いただきうれしいです。
(本書参照ページ: p.91 マーケティング手法の活用)
Q:貴重なお話ありがとうございました。自社で成果を上げることができるのか判断する基準は具体的にどのようなものでしょうか。
A:そのエントリー先企業のビジネスモデルをどこまで理解していて、そこでの生産性寄与を想像で良いので表現できているかです。
サークル自慢、バイト自慢がダメな理由は、ただサークルやバイトで成果が出たところで終わっているから。その成果と応募先企業のビジネスモデル、あるいはそのビジネスで求められる成果とのつながりなどの説明責任を果たしていません。
そもそも「総合商社」というビジネスモデルもわからず「国際プロジェクト開発を手がけたい・・・」「電車が好きだから鉄道会社・・・」のような表層的イメージ、それもビジネスモデルを見てすらいないと思われるような企業研究では「成果判断」など無理でしょう。
社風やら職場の雰囲気など、いくら調べても実際に働かない限り、絶対にわかりません。そんなわからないことを調べるためにOBOG訪問などにエネルギーを割くより、会社ホームページにいくらでも事実がていねいに説明されている、製品情報/サービス情報/事業内容・・・のような「その会社の」ビジネスの仕組みを理解するのは、京大生なら多分すぐできます。慣れてくれば数十分でできるはず。
そこでその会社が生み出す成果、その成果やプロセスと自分の能力の一致などをいかに説明するかこそ、京大生にとって一番役立つ企業研究です。
(本書参照ページ p.97 企業選びの視点)
Q:サークルがどんなものなのか具体的に書こうとすると字数が足りなくなってしまう場合があり、バランスが難しいです。
A:サークルやサークルの内容が何であるかはあなたの採用とは直接関係ありません。「ガクチカ」と呼んだりする、学生時代に力を入れたことでも、サークル説明で終わる人がよくいますが、これではゼロ回答になってしまいます。
知りたいのは「何をやったのか」=Whatではなく、「なぜ・どのようにやったのか」=Why&How。
他人が全く知らない競技だとしても南米では人気のある球技の一つで・・・で十分。詳細は、文字数に余裕があれば書く。文字数が400字以下など、少なければ、具体的説明などに情報を費やすのはもったいない。
さっさとそこでの自分の役割や、なぜ成果が出たのか、どのような変化がなぜ起きたのか、というような、「変化率」を説明しましょう。形容詞不要というのは、その結果がどれだけ「すごい」と書いたところで、読み手は何一つ評価などできません。
全国大会優勝はすばらしいですが、個人競技でもなければ、自分の関与がどうだったかなど誰もわかりません。
「Why&How」こそが、ESと面接における回答のすべてと言っても良いくらいに最も重要な対応方針です。
(本書参照ページ:p.49 研究という武器 p.133 ES対策のカギはWhy&How)
Q:今日はありがとうございます。私は今年3回生になり大学院に進学予定なのですが、ここから院までの二年間何を意識して生活するべきでしょうか。
A:せっかくこのような説明会に出ているのですから、今から出展企業の説明を聞き、その会社がどうやって利益を生み出しているのか、そのビジネスモデルを理解する練習をしておいてはどうでしょう。
漫然と起業説明を聞くだけの人が多いので、そんな時も必ず目的意識を持って、説明会では必ずその社のビジネスモデルを理解して終わることを課して参加するのです。
よく理解できない時は当然、理解できていても、必ず一言は質問することも義務として臨めば、M1進学時の就活は言ってみれば2回戦。経験が違ってくるので、余裕で臨めることでしょう。
内定承諾書という契約書に署名押印しない限り、日本は法治国家なので、一切の入社義務もありません。京大学部生なら大歓迎してくれる会社が多いので、ぜひ今の内にいろいろな会社を見ておきましょう。せっかくだから、知っている会社ではなく、聞いたこともない会社の説明を聞いて、ビジネスモデルを理解するという訓練をしておけば、確実に2年後就活は断然と差が出来ることは間違いないでしょう。
(本書参照ページ p.74 修士卒(修了)進路の留意点)
Q:結論ファーストで一言で研究内容を、とおっしゃっていましたが、私の研究内容は量子分野であり、一言でまとめようと思うと専門用語が必要となってしまい、理系の友人からもわからないと評価されることがほとんどです。最小限の背景説明を行うならばどの程度の字数、文章量に収めるのが望ましいでしょうか。
Q:博士課程なんですが、就活上手く行くか心配です
A:理系院生であれば研究説明は普通は必ず求められます。
どこまで説明するかというレベル調整は難しく、絶対的正解はありません。ただ、これまで15年、科学ど素人の私が博士後期課程学生の指導が出来たかというと、このど素人の私に研究内容を理解させられないような説明では、まず採用の突破は難しいというフィルター機能が役立ったからだと思っています。
どれだけすばらしい研究でも、聞く側が同レベルとは限りません。企業の研究者であればかなりの理解が得られるでしょうが、就活においては、研究者以外と一切接することなく選考が進むのは考えられません。特に最近は超人気化粧品メーカーが、「誰にでもわかるように易しく研究内容を説明」することをESで求め始めました。
これはその研究の神髄や学問的価値を全部理解させろという意味ではありません。専門用語でないと意味が通じないとか、間違った意図に取られない限りは、言い換えたり例えたり、子どもにわからせるような説明が出来ることこそ、高度の研究能力として評価されるでしょう。
特に博士学生なら、高度な難しい研究を専門家に対し、難しい専門用語で説明できるのは当然。逆にど素人の人事の人に、難解な単語を使うことなく、例え話混じりにその研究のバリューを説明できたことで、一気に全社的に「ぜひわが社に入って欲しい!」という流れができた博士学生もいました。
「何がすごいのか、新しいのか(新規性)、発想がすごいのか、手技がすごいのか、実験プロセスが難しいのに成功したのか、その研究成果が出ることでどんなメリットがあるのか・どんな実用化技術とつながる可能性があるのか・・・・」
相手の理解度が影響する以上、すべてを理解させることなど不可能です。しかしその研究の意義や価値、活用の可能性も説明できないのであれば、就活は厳しいと思います。
東北大では、毎年「博士のジョブフェア」というイベントを行い、30社以上の出展企業に、40〜50名の博士学生が自研究をプレゼンテーションします。
私たちプロの指導を受けつつ、その研究説明指導には2ヵ月程度かけて準備をして臨みます。一朝一夕では無理ですが、「他人に伝える」トレーニングは確実に身になり、毎年多数の博士学生やポスドクが、このジョブフェアを活用して応募のスカウトがかかったり、選考のきっかけを得ています。
(本書参照ページ:p.40 コミュニケーション能力 p.120 エントリーシート/Webテスト))
Q:就活における京大と東大の差はありますか?
大手コンサルの内定をうけた京大→東大院に進まれた先輩が大手コンサル等に行きたければ京大生じゃ難しいかもと言っていたので気になります。自分は工学部で院に進む予定なのですが、東大を視野に入れるべきでしょうか?
A:「京大生だから採用しない」というコンサル会社があるとは思えません。
出身大学とコンサルビジネスは関係無いからです。コンサルタントの成果とは何でしょう?
コンサルの仕事は「企業の指導」などと言う人もいますが、何千万というフィーをもらって、満足を得られる指導をする自信があるでしょうか?何千万のフィーを払った以上の成果を提供できるからコンサル業が成り立ちます。それができるのが独り立ちできるコンサルタント。通常は会社に属しますが、ディレクターやプリンシパル、パートナーのような役職になる人は、それが出来るから慣れたのではないかと思います。
およそ京大出だからコンサル出来ない・・・レベルの世界ではありません。
ある巨大コンサル会社は、かつて学歴を不問としました。コンサルはカネを稼げるかどうかが生命線。学歴止まりでどうこう言っているようなレベルのスタッフはいないと断言していたのが印象に残っています。何なら京大中退でも、センスと頭脳があれば活躍できるはずだと思います。
今後もさまざまなアドバイス(余計なお世話も含む)を受けた時は、決して鵜呑みにせず、なぜそうなのか、それってあなたの感想?じゃないことを説明してもらって下さい。それがないアドバイスは多分、「感想」だと思います。
(本書参照ページ p.6 戦略思考で見る有名大学・一流大学 p.19 コンサル業界は苦かった)
Q:京都大学の理系女子は将来何を期待されているのでしょうか
A:もはや時代は「女性だから」とかいっている状況ではないと考えます。だから京大理系女子も京大理系男子と同様、将来のその企業の「技術系管理職」としての素養だと思います。
理系だから管理とか知らないなど不安かも知れませんが、そんなものは入社してからいくらでも身に付けられるので大丈夫。しかし多分面接では「将来のキャリア」「10年後どうなっていたいか?」など聞かれると思います。
そんな時、理系の人は正直すぎて、その技術や研究の目標しか話さないのですが、京大生は未来の管理職・経営者なのです。ぜひ自分の目標だけでなく、「10年後には同僚、後輩や部下、チームで成果を出したい」という「管理者目線」を語ってみて下さい。多分企業の人大喜びだと思います。
(本書参照ページ p.67 学部・修士・博士ごとのキャリア選択留意点 p.95 企業選びの視点)
Q:本日は貴重なお話をありがとうございました。
Q:本日はありがとうございました。
Q:ありがとうございました。
Q:今すぐやる、心に刺さりました。参考になるお話をありがとうございました。
Q:今日は貴重なお話ありがとうございました!
ESの書き方について、文字数ギリギリまで書くという点では大学入試国語の記述問題に似ていると思う一方で、具体的な数値を用いて書くという点で異なるなと思いました。全体として、出題者/採用者の意図を汲み取るという点ではかなり共通していると思うので、これからその点を心がけてESを作成していきたいと思います。
A:書き込みするだけですばらしいです。どうですか?文字を打っただけで、次の書き込み、企業交流での発言が一気に楽になっていませんか?
何も書かずに見ているのと比べ、一歩前に、単にお礼の文字を打つだけで行動力に断然と差が付きます。これを今から出来れば3月本番もスタートダッシュ間違いないでしょう。
就活は何のため?といえば、結局採用社から内定をもらうことがゴールのはず。内定がなければ進路選択すらできません。ぜひその意図を読んで下さい。すぐにはできなくとも、こうして「自ら動く」ことができた人はすぐにぐんぐん力が付きます。「相手を考え得」という当たり前のことができない就活生がほとんどだからです。
ぜひ成果出して下さいね!
戦略思考で鍛える「コミュ力(りょく)」(祥伝社新書) p.82 面接で採用されるための間接アプローチ